大人の辞書

突然雨が降ってきた。最近は局所的な集中豪雨がたまにあるけど、私が子供の頃はこんなのなかった。初めて行った海外旅行で集中豪雨を見てビックリしたのを覚えている。こうした種類の降雨は予測が難しいらしく、天気予報でも晴れです!と断言しておいて、いきなり雨が降ることが増えた

人は大人になっても成長しない、慎重になるだけだ。と言ったのはシェイクスピアだったかな?年を取るにつれて自分が出会う相手への期待値みたいなのはだんだん減っていって、幼い頃の友達も、家族も、本当に気が合っていたわけじゃないことが解ってきた。でも気が合うかどうかというのはそこまで重要じゃなくて、気というのはあくまで個人性質的なオーラなわけだから。気が合わない人とも出会えたりするのがこの世界の特徴なのだから、自分のスペースをもっと広げてもいいんじゃないかなとも思えるようになってきた

雨が降れば憂鬱になると最初に言ったのは誰だろう。子供の頃、雨について抱いていた感情はけっして憂鬱なんかじゃなかった。単純に言えばそれは「楽しい憂鬱」という未知の概念で、大人の辞書にはそんな簡単な単語も載っていないのだ。今日もかたこと日本語を使いこなしているだけの私たちが、芸術作品を見て「言語に絶する」とか言っているよ。大人は、子供に笑われても仕方がないね